ベルニサッシ

モスクワ最大のお土産市場、ベルニサッシへ。帰国を前に、お土産を購入するのが目的だ。ここの市場は種類が豊富なだけではなく、値段も交渉次第で相当安くなるのが大きなメリット。店を構えたデパートにあるような土産店と違い、売り手も値引きをすることで商売をしているので気がラク。特に、関東出身で値切るのに慣れていない自分にとっては気軽に値引きを要求できるのはありがたい。

市場だが、入場料が10ルーブル(約40円)かかる。ロシアの民族衣装を着たおばさんがレシートをもぎってくれるのだ。入場料は季節や時間帯、曜日によって変動するようで、僕が帰路についた17時頃は入場無料だった。


この市場、他の通常の市場と違う点が多々見られ、非常に好感を持った。


まず、市場にありがちな喧騒や、「何となく危険な、アングラな雰囲気」というものは感じられなかった。店の構えも無愛想なテントなどではなく、ロシアの田舎っぽい雰囲気を出した、木造の優しい造りが主流であった。まるでテーマパークのようだ、と表現しても過言ではない。


さらに感心したのは、売り子の態度。外国の市場にありがちな、強引に売りつけようとする態度はあまり見られなかったし、むしろ愛想がすごくいい。しかも買い物を終わった後も、ちゃんと笑顔で「Спасибо вам!(ありがとうございました!)」と行ってくれるところが多い。しかし、ロシアで今までこんな場所があっただろうか…。蛇足だが付言すると、ここに限らず普通の市場などでも、ロシア人の男性の売り子は概して「女性には」愛想が良い。でもそれは「大切なお客様」だから、というわけではなく、単に女性と話せて嬉しい、という至極純粋な動機だと思われる。それと比べると、ここの売り子は「客」としての愛想の良さが感じられた。


入場料を取っているだけのことはある。外国人観光客を呼び込むため、市場全体で努力をしているのだろう。


実際、外国人が客の半数以上を占めていた。僕以外にも日本人はいて、バックパッカーの女性、そして以前、劇場でたまたま知り合った、モスクワで学んでいる留学生とも偶然会ったりした。


自分はお土産選びはそんなに得意ではないが、歩くだけでも楽しめた。お土産にまよったらここに行くといいだろう。何かしら見つかる。


過ごしやすい市場だが、人が多いことには変わらないので、財布の暖かい観光客の財布を目を光らせて狙う輩もウロウロしているハズ。買い物に夢中になりすぎないのが大切。


で、お土産の選択肢がイチバン多いであろう、この市場。僕もここでたくさんお土産を買って帰りたいのだが、帰りの飛行機に乗せるスーツケースには重量制限がある。なので、あれもこれも、というわけにはいかない…。せっかくのロシア土産の山を前にしても、もどかしいものだ。