くるみ割り人形

今日は、バレエ「くるみ割り人形Щелкунчик」を見にいきました。公演は、サツ記念子供劇場Московский Государственный Академический Детский Музыкальный Театр им.Н.И.Сацというところですが、会場はこの劇場ではなく、別の劇場です。入れ物だけ変わる、出張公演です。チケットの額面は200ルーブル(約800円)ですが、地下鉄にある「チケットぴあ」のような場所で買ったので手数料が上乗せされて260ルーブル(約1040円)で購入。

バレエを観るのはすごく久しぶりです。最後に観たのは、11月のはじめ。そのため、バレエへの期待は自然と膨らんでいました。芝居と違い、言葉が理解できなくても楽しめるというのが魅力的です。しかも、バレエは世界トップレベル。ロシア語ができるできないに関わらず、ロシアに来た人は必ずバレエを見るべきです。


今回の公演の会場は、出張公演のためか、バレエにはすこぶる不向きな会場。まるで公民館のような、中学校の体育館のような。ハッキリ言って、会場はショボかったです。舞台は狭く、公演中もバレリーナたちが窮屈な動きであるような印象を受けました。でも、一番よろしくなかったのは、音楽が生演奏ではなかったこと。楽団が演奏するスペースがなく、スピーカーから音楽を流していました。前回バレエを観たクレムリン大会宮殿は音響こそひどかったものの、しっかりした楽団が生演奏。バレエの動きとあいまって、身体に響いてくる音楽には非常に奮い立つものがありました。このスピーカー、音響が悪いよりかはいいのかもしれませんが、それでもやはり少々物足りない感は拭えません。

でも、役者の動きはとても良かった。久しぶりだけあって、非常に楽しめました。2時間弱の間、夢心地の気分。以前にも書きましたが、人間の身体の美しさを再認識できました。


縦横無尽に活躍する主人公Мари(マリ?マリィ?)役の女の子は、1幕と2幕で違う人だったのですが、二人ともとっても細く、笑顔輝く可愛らしい女の子。でも、1幕に出てきた方は、おそらく僕よりも年下、まだ10代だと思われます。まだまだ遊びたい年頃でしょうが、そんな女性が、大役を余裕とも思える笑顔で堂々とこなす姿には尊敬の念を禁じえません。小さい頃から、バレエだけに打ち込んできたんじゃないかと思います。いや、彼女に限らず、バレエや芝居やオペラの第一線で活躍している人たちは、その仕事のために犠牲にしてきたものも数多くあるのでしょう。そんな彼ら彼女らに、拍手を送ることを惜しむことができません。

バレエのチケットを他にも3枚買ってあるので、まだまだ楽しみは続きます。