モスクワ市歴史博物館

サンクトペテルブルグから戻った後でも、ムールマンスクから帰った後でも、結局戻ってくるのは、慣れ親しんだ街、ここモスクワ。モスクワに戻ったときは、自分の街という感じがして、やっぱりホッとします。そういう時は、自分がもうモスクワの立派ないち住民であることをひしひしと感じます。

というモスクワ市民の自覚も高まったところで、今日はモスクワ市歴史博物館Музей Истории Города Москвыへ行ってきました。こっちの学校の学生証を持っているので学割で20ルーブル(約80円)でしたが、よく見たら普通の外国人にはなんと外国人料金が適用されるようです。それも70ルーブル(約280円)。ヤダなぁ、こういうの。


展示は1階と2階に分かれ、1階は帝政末期の町の様子を、当時のお店の看板や道具、劇場の案内といった身近なもので「古き良き」20世紀初頭のモスクワを再現。2階は、古代から中世にかけてのモスクワを、当時の道具や人形などを使って説明しています。


2階はやや小さく、数十分もあれば見てまわれる広さ。質も量もそんなに充実したものではなかったので、そんなに面白くありません。しいて見所を挙げるなら、クレムリンの模型でしょうか。2週間前に行った国立歴史博物館には何度行っても楽しめるでしょうが、ここはもういいかな、て感じです。ただ、ガイドさんの説明つきの子供たちの集団がいて、その説明を横目(横耳?)で聞けたので勉強にはなったかと思います。


また、このフロアには新しく増築したと思われる一角がありました。そこは、モスクワで起こったテロについて展示してあるコーナー。救助作業の様子や、テロの現場に献花に来た人々の写真が展示されており、背筋が凍る思いをしました。そうした写真の中の風景には、見覚えのある場所が多かったので。。犠牲者となった人々の、生前の元気な姿の写真もあり、胸が痛みます。


1階は、2階よりは広く、意外と楽しめます。すごく原始的な機械とか、旧正書法で書かれたロシア語、当時の人々の服装などが展示されているので、具体的に当時の生活の様子を思い浮かべることができます。こっちのフロアは行く価値があると思います。


さてこの博物館。見て回っているときに気づくのですが、天井はアーチ状だったり、その天井もとても高いところにあったり。建築構造が教会そっくりなのですが、やはり、この博物館は19世紀の教会を流用したものだそうです。ソ連時代は教会が弾圧された時期でもありましたが、まさしくこの博物館はその教会をぶんどって作ったものだと思われます。そう、この博物館はソ連時代の落とし子。この博物館の存在自体も、モスクワの歴史を生きた形で伝えているのです。