カラマーゾフの兄弟


次は12月24日の劇場報告。

の前に、クリスマスイブということで、劇の前にちょっとモスクワの中心部を徘徊してみました。特に赤の広場のあたり。

めっちゃ寒いんですが、ばかでかいクリスマスツリーがそびえ立っていたり、サンタの格好をした大道芸人とお供のサルが人だかりをつくっていたり、赤の広場で記念写真を撮ってる人たちもいっぱいいて、いるだけですごく楽しかったです。クリスマスだからか、いつもはすれ違ったロシア人といつケンカが始まってもおかしくない、そんな殺伐とした雰囲気ですが、おめでたいかな、今日はすこし穏やかな気がします。

珍しく写真もいっぱい撮ったので、暇があったらメールしたりアップしたりします。
蛇足ですが、クリスマス限定のコスプレといったらサンタ。3日くらい前から、街中で普通にサンタの帽子を被った子が増えてきまして、そしてみんなとても似合っていて、ちょっとドキドキしました。日本でこんな帽子を被ったら「それはギャグでやっているのか?」て感じですけど、ロシアではみんな普通にしてます。

さて、その後は足早に劇場へ向かいます。
向かう先は、Театр имени.Маяковскогоマヤコフスキー記念劇場、演目はКарамазовы(カラマーゾフ家)。原題は、Братья Карамазова(カラマーゾフの兄弟)です。原作者はФ.М.Достоевскийドストエフスキーです。
この劇場はモスクワでも有名な劇場で、もちろん地球の歩き方にも載っています。規模も大きく、3階席か4階席まであります。今回は2階席を買い求めて300ルーブル(約1200円)、十分よく見えました。
カラマーゾフの兄弟」といえば、ドストエフスキー最後の作品にして、文庫本で上・中・下と3冊にもなる長編小説。そんな長い作品を、どのように舞台化するのかすごく興味深いところです。いきおい、カットせざるをえないシーンはたくさん出てくることでしょう。どうやって劇にまとめるのだろう。

感想は。。。面白い演出が多く、役者もすごくよかったけど、正直、わからない! 疲れた! てところです。

ドストエフスキー小説を形容する言葉に、ミハイル・バフチンが提唱した「ポリフォニー小説」(ポリフォニー=多声性。詳しくはバフチンのリンク先を参照してください)という言葉がありますが(それゆえか、読んでる最中僕は非常につかれます)、今回の劇も十分それを再現している、と感じました。

ありふれた言葉では片付かない、クセの強い登場人物が織り成す一大スペクタクル。原作はすでに読んだのですが、今回、何が起こってるのか理解できず、呆然とすることもしばしば。言葉の問題というのではなく、ついていけない。そんな状態でした。

しかも、休憩含めて約4時間という、劇にしては長い公演時間。3時間を過ぎたあたりからは、辛くて疲れて、早く帰りたいとさえ感じました。

でも。原作を読み直し、また観たいと思います。正直、しんどいですが、でもこのままでもちょっと悔しいので。それに、辛いけど、やっぱり面白かったので。