ロシアでソ連を感じる

今日は、国立近代歴史博物館Государственный Центральный Музей Современной Истории Россииへ行きました。
この博物館では、その名の通り、ロシアの近代史の史料を豊富に集めた博物館です。現代の歴史的史料や日露戦争のコーナーなどもありましたが、中心はロシア革命に関する展示で、ソ連時代には社会主義の宣伝のための博物館だったそうです。
展示内容は、きわめていかついものが多いです。革命軍が使っていたという服やヘルメット、銃剣などの装備や、革命を宣伝するポスターなど、「いかにも」な展示が目をひきます。唯一ほのぼのとした展示は、レーニンが2歳の娘にあげたという犬の人形でした。おそらく、革命に関する史料ならなんでもそろうのではないでしょうか。
お土産もすごい。ほとんどが、ロシア革命時代のものです。その時代のものならなんでもいいと言わんばかりに、当時のポスターやメダルはもちろん、果ては個人のものであったろう手紙や封筒や身分証明書、そしてなぜか昔の日本の紙幣が売られていました。

さて、この博物館。よくみると、ところどころの天井に中世のもののような絵が描かれ、壁にはギリシャのような彫刻がよく目につきます。
まるで美術館のような美しいクラシック様式です。革命に関する史料などとはいささかミスマッチのような気がしますが、実はこの博物館、もとは帝政時代の貴族の社交場だったのです。貴族の集まる文化サロンが、社会主義に関する博物館になるなんて、なんともシュールな話です。