シルフィーダ
ボリショイ劇場Большой Театрにて、バレエを観ました。演目はシルフィーダ Сильфидаです。3階席、一番上の4列目で400ルーブル(1600円)。でも多少空いてたので、少しいい席に動くことができました。
ところで、シルフィーダСильфидаとは、何ぞや?? 研究社 露和辞典で調べてみたところ、
①Сильф(=空気の精)の女性;スリムな女性
②シデムシ(腐敗物・動物の死骸に集まる)
という意味だそうです。ロマンチックなものと、昆虫…あんまりな同義語ですね。
もちろんこのバレエは①の空気の妖精の意味。
あらすじを超簡単にご説明しましょう。舞台はスコットランド。エッフィという婚約者もいるジェイムスという男が、偶然目にした妖精(シルフィーダСильфидаです)に魅せられ、愛を約束してしまう。「もし自分を愛してくれなければ、死ななければならない」(!!)と告げられたからだ。そしてジェイムスとエッフィも参加する踊り。二人は踊っているが、そんな中、ジェイムス以外には見えないシルフィーダが婚約指輪を奪って逃げる。ジェイムスは彼女の後を追う。
二人がたどり着いたのは魔法の森の中。ジェイムスはシルフィーダに追いつき、魔法のマフラーで彼女をくるむ。すると彼女の翼がもげ、命も落とす。そして遠くにはかつての婚約者エッフィが、別の男と挙げている婚礼の行列が見える。
…浮気をしてしまうジェイムスも悪いのですが、超積極的なシルフィーダは何と言っていいやら。「もし自分を愛してくれなければ、死ななければならない」とのたまうくらいですからね。どうなんですかね、そんなセリフ。ウソであれ本当であれ、男を繋ぎとめておくためだったら、もっと他に良い方法があったように思えてならないんですが。いくら好きではあるといえ、そんな彼女を愛してしまったジェイムス君にはさぞかし重荷になったのではないかと思います。
さて肝心のバレエですが、ボリショイ劇場にしては非常にまとまりがありました。今まで観たバレエからの個人的な感想ですが、ボリショイ劇場は、動きのまとまりに欠けていることが多いと思います。特に群舞になるとそれが顕著で、全体としてみるとちぐはぐな印象を受けることが多々あります。しかし、この「シルフィーダ」は、すごく整然としており、群舞でも動きがそろっており、本当にキレイでした。内容的には満・足!!
ただ、そんなに長くなかったので、物足りない感満点でした。19時ごろに始まって、休憩含めて2幕、終わったのが21時。「あれ? もう終わり?」てな感じ。
あ、あと、このバレエの舞台はスコットランドだけあって、男性の役もスカートを着用していました。その様子には周りのロシア人たちも違和感を感じていや様子。しかも女性陣のスカートよりも短い。どうせだったら、女性のスカートが短い方がいいのにな。