外国語学部

同じくロシア留学中の友人のブログに「外国語学部の存在意義」なる内容が書かれていました。こちらです。これを読んで、僕も少し考えました。

彼のブログの中の「高校を卒業してしばらくしてからロシアに来て、滞在5年。今はモスクワ大学の4年生」という方は僕も知っており、そして非常にお世話になった方です。もちろん、現在、ロシア語は流暢ですが、ロシアに来た当初はロシア語はできなかったようです。彼のように、何も勉強しない状態でロシアに来た、という人は珍しくありません。僕の隣人の韓国人もそのうちの一人。来て3年目だそうですが、ロシア語で困っている姿はほとんど見たことがありません。


それに対して、外国語学部ロシア語専攻の自分はいったい何なんだとたまに思います。彼らがいともたやすく操るロシア語、自分は専門としているのにも関わらず、四苦八苦しているのです。ほんとにいったいなんなんだ。


世間の状況的にも、外国語系の専門への風当たりは強い。以前にも書きましたが、大阪外国語大学の、大阪大学への吸収合併はそのいい例でしょう。大阪大学国語学部として残るとはいえ。


でも、僕はそういった学問をする場は必要だと思っています。ここからちょっと外国語学部を擁護していいですか。


こういった外国語学部生の心境、そして世間の「外国語学部? イラネ(゜д゜)」的な風潮、何が原因か?


僕は、「外国語学部」という名称が、よろしくないのだと思います。

多くの人は、「外国語なんてただのツールでしょ」と考え(確かにそうですが)、で、「じゃあ、わざわざ外国語を大学で専門的に勉強する必要はあるの?」となり、そのため、「じゃあ、外国語学部イラネ」となる。なんて見事な三段論法なのでしょう。


でも、この一見、華麗な三段論法のどこに間違いがあるのか。それは、経済学部は経済学を、医学部は医学を中心にやるというように、「外国語学部」は「外国語(学)」を中心に、つまりロシア語専攻だったらロシア語の修得、中国語専攻だったら中国語の習得を、究めるところだと思ってしまうところにあります。で、「いかに外国語ができるか否か」という、悪く言えば表層的な面でしか評価されない。もちろん、それが勉強に大きな位置を占めるのは当然なのですが、それだけではないのです。


いいですか。反対意見もあるでしょうが、声を大にしていいます。


国語学部は外国語の修得が中心ではない!!!!


もちろん、外国語学部はそういったことができる最適な場所ですし、やりたい人が来るべきです。しかし、それだけでは終わらないのです。その言語が話されている地域の詳細な言語研究と並び、歴史、経済、文化、政治、などなど、地域研究、文化研究をするところなのです。そういった研究をするにはその国の言葉は欠かせないねということで、外国語をやっているに過ぎない。外国語の修得は、まぁ、正直二の次で、肝心なのはその国に精通している、ということ。本気で研究しようと思ったら、言語はホントに道具、ツールに過ぎません。僕はそう考えています。僕はそういう理由で、ロシア語の勉強を続けています。


もちろん、みんながみんな、例えばロシアに詳しくなる必要は全くありませんが、でも、全くいなくなるのも、困りますよね。だから、外国語学部にも存在意義があるということ、たまには思い出してやってください。


先ほども言いましたが、「外国語学部」という名前は誤解を招きやすくてよろしくないと思います。「外国語」ではないですから、メインは。思い切って名前を変えてみたらどうでしょう。例えば、「外事専門学部」とか、ちょっとそれっぽいんじゃないでしょうか。どっかの会社にありそうな部署ですが。うちの大学も、思い切って「東京外事専門大学」に変えてしまえばいい。昔はそんな名前だったみたいですし。え、ヤダ?