プーシキン博物館

ロシア人にとって一番重要な文学作家は、おそらくプーシキンでしょう。そんなプーシキンの全て(?)を展示してある、プーシキン博物館Государственный Музей А.С.Пушкинаへ行きました。学割50ルーブル(約200円)。

このような一個人のための博物館は、モスクワ各地に点在しています。先日行ったドストエフスキー博物館もそうですし、他にもトルストイ博物館、チェーホフ博物館などがあります(昔はレーニン博物館もあったとか。)


しかし、このプーシキン博物館に建物・展示の規模の点で勝る博物館は、おそらくないのではないでしょうか。


まず、建物自体にかなり気合いが感じられます。入り口からして、特に広々とした雰囲気。また、建物の中はピカピカですごく清潔感が感じられます。さらに、博物館という場所に感じられる閉鎖性も感じさせません。建物自体の広さもさることながら、入り口をはじめとする広い場所では、天井をガラス張りにしていることも心理的な圧迫感を軽減する要因のひとつでしょう。それでいて、周囲の建造物との調和を壊していないのでなかなか目を見張らされる建物です。


さて、展示物ですが、そんな建物の規模と同じく、プーシキンにまつわる品物がかなり多く集まっています。直筆原稿から、彼の肖像画、道具、プーシキンの時代のモスクワやサンクトペテルブルグの絵画、当時の皇帝の肖像画などから、プーシキンの友人が子供時代に描いたという絵まで、マニアグッズ(?)がそろっています。だからといって雑然としているわけではなく、部屋ごとにテーマが設けられているので見やすいかと思います。


こんな広くて充実した博物館、プーシキン好きにはたまらないでしょう。ただ、その分、展示を楽しむためには予習が不可欠。僕も少しプーシキンのことを勉強してから行ったのですが、それでも知識が及ばず、けっこう難しい印象を受けました。


この博物館だけでもかなりの点数を展示してあるのですが、モスクワにはもう一軒、「プーシキンの家博物館」という、プーシキンがかつて住んでいた家を改装して作った博物館があります。そっちの展示もかなり多いらしいので、今度行ってみようかと思います。でも、モスクワだけでも2軒も博物館を作るなんて、プーシキンに対するロシア人の情熱は、いったいどこから湧き出てくるのでしょうか。(ちなみに、ウクライナなど、他の旧ソ連圏にもプーシキン博物館の類はいくつも存在します。)