かもめ

またまたマールィ劇場に足を運びます。今度は本館の方です。ある筋によると、マールィ劇場の日本公演が動き始めているそうです。2008年に。まあ、去年来日公演したばかりなので、今また話が動いていることでもすごいことでしょう。
さて今日見たのは、チェーホフの「かもめ」。
桜の園」とは違い、常になにか不穏な空気が、冷ややかな緊張感が漂っています。それもそのはず、この劇では、恋愛関係が物語の主軸となっているからでしょう。ホントに狭い社会の中でそんなゴタゴタしてたら、そりゃ張り詰めた空気になりますな。
最後の幕第四幕のラストには、主要人物の一人コースチャが、ピストル自殺を遂げて幕は閉じられる。ここは、第一幕の劇中劇で彼が「幕だ!」と叫ぶシーンとシンクロするようでもある。
ただの駆け出し作家であった第三幕とは2年の時を隔て、四幕では作家として成功しているコースチャ。その彼が自殺をしたのは、本当に登場人物たちの、ちょっとしたボタンの掛け違いによるものと思えてならなかった。
劇自体は非常にすばらしい。役者、舞台、照明、音楽。素人ではあるけれど、マールィだけあって相当のレベルの高さを感じました。