ロシアの変化

さて、今日は僕の五感が感じ取った、ロシアという国 について少し書きたいと思います。

よく言われることですが、ロシアは非常に変化の激しい国です。

それも、まさしくイマ、文法でいうとゲンザイシンコウケイです。それは、ロシアにおいてまだ行動範囲の狭い僕にとってすら如実に感じ取れることです。

それはひとつ、モスクワのメトロをひとつとっても明らかです。

まず、路線。旅行者の友「地球の歩き方04〜05ロシア」のメトロ路線案内図は、すでに不完全です。なぜなら、新たにさまざまな駅が建設され、記載が間に合ってないためです。それも、駅はひとつふたつ増えているのではなく、いくつかの路線で3つも4つも増設されているのです。また、これに伴い、多くの観光地でも最短の経路が変わってきていると思います。そのため、これからロシアに観光にいらっしゃる方は、できれば現地の人にもっとも良い行き方を聞くのがよいでしょう。

そして、メトロの料金。
ここ数年、すごい勢いで乗車金額が値上がりしています。「今朝」確かめたところ、メトロに一回乗車するのに、13ルーブル(約52円)。しかし、旅行者の友「地球の歩き方04〜05ロシア」記載の料金は、一回で7ルーブル(約28円)です。およそ2倍。「地球の歩き方」は2004年8月の改訂版なので、記載のデータは古く見積もっても2004年上半期ということになります。1年強の期間で、料金が2倍。ものすごいインフレです。僕が先ほど「今朝」と書いたのも、またいつ値上がりするかわからないためです。

インフレは、おそらく年金生活者の生活に直撃しています。
街で見る物乞いの多くは、老人です。また、彼らの多くは、ソ連の時代、平等な社会、平等な生活を保証されていたはずです。そのため、ソ連時代に戻せという、時代に逆行する流れも彼らの間にはあるようです。
もちろん、これからの時代を担うのは若者です。普通におしゃれを楽しむ彼ら彼女らは、社会主義に戻りたい、とは考えていないと僕には感じられます。ものごころついた時はソ連崩壊後、という世代が、これからのロシアの中核を担っていくでしょう。そういった彼らがいる以上、ロシアが時代逆行的な方向に向いていくとは思えませんが、物価の上昇傾向は、確実にある種の人々の不満の種、そして懐古主義的な考えの元になっていると思います。