ロシア軍の軍隊 軍縮路線が事故を生む!?

ソ連が崩壊し、ロシアが民主化政策をとった時点から、ロシアの軍は縮小する傾向にありました。

このロシアの軍縮が、先日の沈没事故を引き起こした、まあ直接ではないにしろ、遠い原因になってるんじゃないか、と思います。


軍縮はいいことじゃないかー。武器コワイし」って感じですが、ちょっと、違うみたいです。
ソ連時代は何事も軍事優先。世界の社会主義国の、大親分ですから。社会主義の盟主、弱い所は見せられません。
また、軍需産業が、国民の雇用の機会を保障していた、という面もありました。

でも、冷戦が終わるとその役割も終わる。それで、支出を減らすための軍縮が始まりました。

その軍の縮小は何をもたらしたのでしょうか。

軍と軍人の社会的地位の低下です。

その理由は、冷戦の終結で、もう考え方の違うヤツらが攻めてくる恐れは、とりあえず少なくなったためです。

軍事費は少なくなり、軍の満足な演習もできない。
今回のケースは、これにあたるでしょう。一説によると、ロシア軍人ひとりあたりの経費は4000ドルに過ぎない、といわれています。アメリカの45分の1です。僕は軍のお金の使い方に詳しくないのですが、これでは、英語の勉強をしたり、外国の救難装置を使う時間がなくても不思議ではないかもしれません(?)

また、軍と軍人の社会的地位の低下は、軍関係者の生活を苦しくしました。
このことは、武器兵器の、他国への売却・横流しになっている、と推測されます。一部の軍人が、生活のためにやるようです。ロシアが軍縮しても、しわよせ的に近隣の武装が潤う、なんてこともあるようです。

現在も、ロシアではスリムな軍を目指しているようです。
例えば、軍隊の人員の徴用を、徴兵制から志願制に変える、などが検討されています。
軍の縮小は、ロシア政府の財政難もあり、避けて通れない課題です。ロシア政府の宿題;軍の規模は縮小しても、質は維持する。まあ、当たり前っていっちゃ当たり前ですが、今回の沈没事故を受けて、今後の行方は世界が注視するものとなったのでは、と思います。
つたない文ですが、読んで下さった方、ありがとうございます。
まだまだ不勉強ですが…

参考文献
っていうか元ネタ
塩原俊彦「ロシアの軍需産業」(岩波書店、2003年)