なぜロシアへ

そう、僕がロシアへ行きたい、という理由はそこです。演劇を感じたい。建築を体験したい。特にロシアの文学は、重要な要素になった。ありきたりかもだけど、変な理由はいらない。多くのお金と時間と疲労を抱えるであろうから、そんな生半可な気持ちでは留学を決めなかった。これから先はチラシの裏に書いたものとでも思って下さい。
最初は留学には行くつもりはなかった。それまでもロシアに興味はあったし、別に不本意でロシアの学習を始めたわけではなかった。
だけど、ロシア語の成績は特に良いわけではないし、それにロシア語(ていうか外国語)やって何になるんだ、という焦燥感が、2年生6月くらいの僕を支配していた。
そんなんで6月病だった時期。ロシア語の授業で原語の文を読むから日本語訳が欲しいなあ、折角だし買うか、という純粋な目的で手にしたのがドストエフスキーの「罪と罰」。まあ折角手にとったんだし、目を通してみるか。これが、面白い、というか、ぞくぞくするというか、ぬめってしている、というか。これまでに味わったことのない体験だった。そう、ここから、ロシアの文化、特に文学に傾斜していったのだ。
それからは早かった。読んだ、見た、聞いた、いいねロシア文学とか文化いいね、ロシア暗い?知るかそんなの、うん、じゃあ留学どうしようかな、行きたい、そうしよう、お金貯めよう。

こんな感じでした。
語学の問題。僕はロシア語を特別できるという学生ではない。どちらかというとできない方だ。それで訝しげな人もいるだろう。でも、僕はできないからこそ行ってみる、と考えている。もちろん、留学に行くまでの時間で勉強は浴びるほどやる覚悟と、現地での語学の壁の痛感は前提はしているけど。幸い、家族も留学には賛成してくれた。