ロシアメディアは日本をどう見てるか③

先日、「ロシアのアキバ」に行った際、おもしろい雑誌を見つけたので買ってみました。その名も「アニメガイド」。主に、というかほとんど日本のアニメの紹介で、日本に関する情報(多くはサブカルチャー系ですが)も多いのでけっこう楽しませてくれます。ただ、ランチャーストライクガンダムの絵をインパルスガンダムと紹介するなど間違いも多いのですが、かなりマニアックな情報も網羅しているので非常に参考になります(何の?)。
で、その中でひとつ、面白い記事を見つけました。題はТОКИО ГЛАЗАМИ РУССКОГО ОТАКУ(ロシアのオタクから見たトウキョウ)。ある号は、ジブリの森博物館のレポートだったり、ある号はワンダーフェスティバルの詳細だったり。その中でも、渋谷109など、普通の東京の街を写真と一緒に掲載している号を買ってみました。いったい何が書いてあるんだろう。
彼らの主な興味は二つ。ひとつは、日本のガングロ(死語?)みたいです。地べたに座り、化粧道具を並べてメイク中の彼女らをВот она какая современная японская молодежь.(彼女たちが、日本の現代的な若者です。)ロシア人にとっても強烈な印象を残したようです。…大和撫子はいったいどこへいったのでしょう。
もうひとつは、メイド喫茶。ロシア人がある店で一日入店したときのレポートのようです。しかもこの特集には見開き2ページも使うという気合の入れよう。開口一番、…отаку…трудно завести себе не то что девушку но даже просто подруду.(オタクは…彼女どころか、普通の女友達と一緒に歩くことすら難しい。)なかなか手厳しいです。こんなこと日本の雑誌で書いたら、非難轟々でしょうね。で、Девушки,работающие в мейд-кафе—сами отаку.メイド喫茶で働いている女性たち自身も、オタクです。)

メイド喫茶はともかく、東京の街の写真はなかなか興味深いものでした。
ガングロだけではなく、ロシア人が撮った普通の東京の風景。自転車と傘で作ったホームレスの家だったり、お台場のゆりかもめだったり、電線が張り巡らされた空だったり、夜、淡い光を放つ自販機だったり。もし自分が東京の写真を撮る、ということになっても、おそらくシャッターには収めないであろう、ごく普通の風景がこの特集にはありました。日本で暮らしていたときは見過ごしていたそのような光景も、外国人にとっては興味の対象であることに軽いカルチャーショックです。そりゃ当然のことでしょうが、異国の地ロシアで初めて実感しました。